お客様のDXの推進やクラウド活用をサポートする
NRIグループのプロフェッショナルによるブログ記事を掲載

atlax Forum 2023 開催レポート! - 新しい価値を生み出すGenerative AI -

atlax編集部

2023年12月6日(水)、NRI主催のオンラインフォーラム「atlax Forum 2023」を開催しました。
2021年に開始した本フォーラムは、「NRIが取り組む技術領域」にフォーカスを当て、さまざまな技術の最新動向やビジネスの示唆などを広く社会に向け発信しています。
第3回となる今年度のフォーラムでは、多くの企業が注目しているGenerative AI(生成AI)をテーマにした2つの基調講演と、R&Dなどの研究開発で取り組んだ今年度の成果を「先進技術動向(AI)」「技術展開に向けた取り組み」「セキュリティリスクへの対応」の3つのトラックに分け、講演を行いました。事前登録には500名以上の方にお申込みいただき、イベント開催当日も300名を超える方にリアルタイムで参加していただきました。

今回のレポートでは、各セッションのトピックをお伝えします。

 

Opening Session:

atlax Forum 2023 開催によせて

[登壇者] 株式会社野村総合研究所 常務執行役員 IT基盤サービス担当 大元 成和

大元 成和のオープニングセッションでは、新型コロナウイルスの拡大と並行して広がったデジタル化の勢いは止まることなく一層進んでいき、パラダイムシフトはさらに加速をしていること、今年度のフォーラムでは多くの企業が技術活用として着目している生成AIにフォーカスを当てることをお伝えしました。
また、生成AIは、生産性や付加価値の向上などを通じて大きなビジネス機会を創出するとともに、様々な社会課題の解決に資する可能性があると、生成AIへの期待を述べました。最後に、生成AIの可能性、押さえておくべき技術のポイント、セキュリティの動向をお伝えするセッションプログラムの紹介と基調講演につながる挨拶を行いました。

生成AIの技術動向について説明する様子

 

基調講演:

企業は生成AIとどう向き合うか

[登壇者] DX基盤事業本部 兼 デジタル社会研究室 プリンシパル・アナリスト 城田 真琴

基調講演では、進化を続ける生成AI、主にChatGPTのこれまでの歩みを振り返りつつ、ユーザー企業がどのようにGhatGPTをビジネスに活かしてくかをお伝えしました。
また、ChatGPTの企業利用における注意点やガバナンスについてもご紹介しました。

講演の様子

 

基調講演:

NRIにおける生成AIの取り組み

[登壇者] AIソリューション推進部 部長 稲葉 貴彦

続いての基調講演では、企業が生成AIを活用する上で押さえるべきポイントを、NRIにおける生成AIの取り組みと共に紹介しました。
NRIは、お客様の生成AIの活用をご支援するため、早期に全社横断の体制を構築し、生成AIに関する「活用シナリオの検討」から「実証実験」、さらには「システム実装」や「セキュリティ」に至るまでトータルで支援していることを、実際の事例と合わせてお伝えしました。

 

講演の様子

 

Track A:先進技術動向(AI)

生成AIをビジネスに活用するための最新動向や事例

多くの企業がChatGPTをはじめ、生成AIをビジネスに活用するために動きだしています。一方で、この新しい技術を自社のビジネスへどう組み込むかや、生成AIへの信頼性の確立など、解決すべき課題も見えてきています。本トラックでは、世界的にも注目されている生成AIのビジネスの展望や可能性について、テクノロジーの観点もふまえ最新動向や活用事例を交えてご紹介しました。

A-1:AIの進化 ~生成AIのテクノロジー観点での課題と展望~

[登壇者] IT基盤技術戦略室 長谷 佳明

ChatGPTをはじめ、大きな話題を集めている生成AIについて、技術観点での具体的な課題を説明。今後どのように解決されうるのか最新の研究や事例をもとに解説しました。また、課題を乗り越えた後、生成AIがどう進展していくのか、展望と仮説をお伝えしました。

  

 

A-2:生成AIが描く顧客接点の未来像 ~企業にとっての影響と対策~

[登壇者] IT基盤技術戦略室 幸田 敏宏

生成AIが企業と顧客と接点に活用されるにともない、企業と顧客との関わり方が大きく変わってきていることを、企業の顧客サポートの自動化やパーソナライズサービスの拡充、そして顧客自身のAI活用による購買行動の変容といった事例と共に紹介しました。さらに、これらの変化に対面する企業にどのような課題があるか、さらにどう対策すべきかと、その先にある展望をお伝えしました。

  

 

A-3:生成AIを組織の力に!~個の生産性向上から組織的な取り組みへ~

[登壇者] IT基盤技術戦略室 亀津 敦


生成AIの注目が高まるなか、PoCを経て本格的なAI活用に向けて足を踏み出した企業が、組織全体としてAIにどのように取り組むべきかという課題に直面している現状をお伝えしました。その上で、AIを組織全体の力として活用していくために必要となる論点や体制、AI時代の人の役割や組織のあり方、働き方へのインパクトについて解説しました。

  

 

Track B:技術展開に向けた取り組み

多くの取り組み事例が革新的な成功につながるカギ

新しい技術はビジネスや社会に大きな影響を与えます。
技術に関するさまざまな取り組みを知ることが、技術の力を最大限に活用し、革新的な成功につなげるために重要となります。本トラックでは、急速な発展を続けている大規模言語モデル(LLM)について、トレンドや企業の活用事例、NRI社内での実例から獲得した知見をご紹介しました。

B-1:ChatGPTを活用したヘルプデスク構築の勘所

[登壇者] AIソリューション推進部 岡田 智靖

本セッションでは、ChatGPTを活用したヘルプデスクの事例を紹介しました。マニュアルなど社内独自のデータを外部知識として生成AIに与えて回答させる「RAG」について解説。NRIで「RAG」を使い実施した2件のヘルプデスクの実証実験から見えてきた成果と課題をもとに、実践的な構築のポイントを紹介しました。

 

  

 

B-2:大規模言語モデル最前線:技術のトレンドとNRIでのファインチューニング実践例の紹介

[登壇者] AIソリューション推進部 徳永 匡臣

「API利用型」と「オープン型」の2種類に分かれ、急速に進化している大規模言語モデル(LLM)について、それぞれの特徴などを解説しました。また、独自のデータで大規模言語モデルを最適化する「ファインチューニング」の概要を説明し、NRIのファインチューニングへの取り組みも紹介しました。

  

 

B-3:実例から考える大規模言語モデルのビジネス課題への適用

[登壇者] 生産革新推進二部 岩崎 凌

昨年のChatGPTの登場を皮切りに、世界中で数多く登場した大規模言語モデル(LLM)の現状や課題について説明しました。その後、NRIで進めている社内のデータを用いて、特定の業務に必要な知識を獲得したモデル作成の事例と、そこから得られた知見を紹介しました。

 

  

 

Track C:セキュリティリスクへの対応

さまざまな環境に合わせたセキュリティリスクへの対応

日々脅威が増すセキュリティリスクに対処するため、企業ではさらに高度なセキュリティ対策が求められています。本トラックでは、生成AIに関するセキュリティ、セキュリティを開発サイクルに統合するアプローチ、最近注目度が高くなっているプライベートクラウドの適切な活用ノウハウなどを、NRIが提供するソリューションと併せてご紹介しました。

C-1:企業が考慮すべき生成AI活用におけるリスク対策

[登壇者] NRIセキュア、AIセキュリティ事業開発部グループ  大杉 周平

企業における生成AIのビジネス活用が広がるなかで、顕在化するセキュリティ上のリスクを事例と合わせて説明。生成AIの活用により新たな価値創造、ビジネス変革、業務効率化などが期待される一方で、本セッションでは、生成AIの活用進める多くの企業で考慮すべき課題となっている、機密情報の漏えい、著作権の侵害、不正確な情報の出力といったリスクへの対策を紹介しました。

  

 

C-2:高まるセキュリティリスクに対応するこれからの開発手法「SHIFT LEFT」

[登壇者] aslead事業部  宮原 俊介

本セッションでは、2022年5月に成立した経済安全保障推進法により、システム開発には今まで以上のセキュリティ、品質保証体制やシステムの品質、開発のプロセスを変えていくことなどが求められることを説明しました。また、本法に基づき、システムのセキュリティ向上と開発生産性の向上を共に実現し、品質保証体制の強化も望める「SHIFT LEFT」の考え方と、「SHIFT LEFT」を実現するためのノウハウを紹介しました。

 

  

 

C-3:セキュリティリスクを踏まえたNRIのクラウド戦略について

[登壇者] マネージドサービス推進部 川村 広人

本セッションでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するうえで、当たり前のものになっているパブリッククラウドの活用と、増加するセキュリティリスクについて現状を説明。企業はパブリッククラウド利用によるアジリティの獲得だけでなく、統制・セキュリティなどのコントロールを両立していく必要があることと、NRIのクラウド戦略について紹介しました。

  

 

atlax Forum ダイジェスト動画

atlax Forumの様子をお伝えするダイジェスト動画です。

www.youtube.com

 

参加者の声

今回の「atlax Forum 2023」にご参加いただいたお客様より、以下のようなご感想をいただきました。

- 最近の動向や企業として何を留意すべきか包括的にまとまっていてとてもよかった。
- 生成AIについてこれまで蓄積してきた知見の整理に非常に役立ち、新たな視点の提示もあり大変有益だった。
- 非常に分かりやすく、社内で検討する指針の一つになった。
- ChatGPTの社内活用に向けた説明や、利用環境のこと、他社での取り組みなど、具体的な話が大変分かりやすかった。

 

開催概要

atlax Forum 2023 について

[イベントタイトル] atlax Forum 2023
[開催日時] 2023年12月6日(水) 13:00 - 16:00
[開催形式] オンライン配信
[参加費] 無料(事前登録制)
[主催] 株式会社野村総合研究所

 

・atlax Forum 2023 - 新しい価値を生み出すGenerative AI - ※フォーラム特設ページへ



NRIは、今後もイベントなどを通して、お客様のDX推進に役立つ技術情報を発信していくとともに、社会・業界・企業のDXの実現に取り組んでまいります。

お問い合わせ

atlax では、ソリューション・サービス全般に関するご相談やお問い合わせを承っております。

 

関連リンク・トピックス

・atlax Forum 2022 開催レポート - DX時代に注目の先進技術 -

※ 記載された会社名 および ロゴ、製品名などは、該当する各社の登録商標または商標です。
※ アマゾン ウェブ サービス、Amazon Web Services、AWS および ロゴは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※ Microsoft、Azure は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ Google Cloud、Looker、BigQuery および Chromebook は、Google LLC の商標です。
※ Oracle、Java、MySQL および NetSuite は、Oracle Corporation、その子会社および関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。NetSuite は、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。