こんにちは、atlax編集部 中の人です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)化の 潮流が加速するなか、ビジネス展開のスピードアップやアジリティ向上を目的に、クラウドサービスを活用することが選択肢の一つになってきています。
NRIでは、プライベートクラウド・パブリッククラウド・データセンターでシステムの運用を行うMDC(マルチデータセンター)運用サービスをご提供しています。MDC運用サービスは、相互バックアップ可能な遠隔運用拠点(コントロールセンター)により、データセンター被災時においてもサービス継続を可能にし、FISC安全対策基準に準拠した、金融情報システムに求められる安全対策にも対応しています。
今回は、MDC運用サービスのソリューションチームにチームの強みや「MDC運用サービス」の魅力、より良いサービスを提供していくために努力していることなど熱い思いを取材しました!
Q1:チームの取り組みについて教えてください。
榮:NRIでは、金融機関のミッションクリティカルな基幹システムなど、データセンターやクラウドで稼働しているシステムを運用拠点「クラウドコントロールセンター」で監視する「MDC運用サービス」を提供しています。
「MDC運用サービス」は、「広域災害」「パンデミック」「地政学」等、様々なリスクに対応するため、日米欧の世界3か国で運用するFollow The Sun体制(時差を活用した日中8時間×3拠点での24/365運用)をいち早く導入しています。
運用対象システムが、従来のオンプレミス中心から、クラウドも含むハイブリッドクラウド/マルチクラウドに移行する中、運用人材のスキルセット見直しも行っています。従来の手順書ベースで業務を行うオペレーター中心のシステム運用から、ナレッジベースで業務を行うエンジニア中心のシステム運用へシフトを行っています。
このような環境変化の中、お客様システムの監視やジョブ管理といったシステム運用をサポートする運用ソリューションに求められる要件も変化しています。私たちは、MDC運用サービスを支える運用ソリューション開発・提供部隊として、従来からのNRIの強みを継承しつつ、システム運用業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現すべく、運用ソリューションのモダナイズと、ご利用者のUI/UXを改善する取り組みにチャレンジしています。
Q2:運用ソリューションで活躍されているメンバーの紹介やチームの強みを教えてください。
海津:システム運用の領域は、システムを安全・安心・確実に運用することが求められるため、トラブルを未然に防ぐ様々な工夫が施されています。システムから出力される大量のエラーや警告メッセージをいかに見過ごさず、利用者に届けるかの工夫もなされています。NRIがお客様のシステムを長年運用する中で培ったノウハウ・知見を活かし、現行の運用業務やシステムの構成を正しく理解しつつ、新しい運用業務を設計する能力が求められます。
また、システム運用を支える運用ソリューション開発は、監視対象システムへの理解や、上記運用業務を実現する基盤環境面およびプロセスサポートのためのアプリ仕様面の要件を確実に実装する必要性から、フルスタックでのスキルが必要とされます。
当チームの強みは、各自アプリ開発技術/基盤技術(オンプレ・クラウド)/運用技術(運用業務設計含む)といった得意領域を持ちながらも、それぞれの領域との連結をしっかりと意識・フォローしあいながら、同じ目標にむかって突き進める点です。
榮:そうですね。若手メンバーがそれぞれの得意領域を伸ばしつつ、お互いの連携を強めて知見を補い合っているチームだと思っています。
Q3:システム運用のデジタル化へ向けた取り組みで大変だったことや当時の躓いたところはありましたか?
西山:既存のシステムを運用しつつ、社会の動向に合わせて新しいものに変えていくことを両立させることが今でも大変だと感じています。
お客様の運用担当者に課題や要件を伺っていく中で、「そもそもこの要件は必要なのか」や「不要と考えていた要件が実は違う場面で必要だった」などお客様の要望を汲み取り、共感し、進めていくところが大変だと感じると同時にやりがいも感じます。
私は、*1クラウドネイティブアプリ開発、オンプレミス/パブリッククラウド基盤技術を担当しており、私たちのチームは基盤からアプリケーションまですべて提供しています。お客様に寄り添い、ヒアリングをすることでベストな課題解決に取り組むことができると考えているため、実際の運用現場に行って、運用システムを利用されている方から直接的にご意見やフィードバックをいただきながら開発を行っています。
江口:私は、AWS/Azure/OCIといったクラウド基盤、Kubernetes 等のコンテナ基盤構築・運用を担当しています。運用領域もオンプレミス中心から、クラウドも含むハイブリッドクラウド/マルチクラウドに移行することが広まっており、ニーズが多様化しています。そういった環境変化がある中で、スピード感をもって多様化したニーズをどう満たしていくかが大変だと感じています。お客様が何を必要としているのか、何に困っているのか等のヒアリングから見えた課題を解決するために私たちのチームにはどんな技術力が必要かを意識して日々業務に取り組んでいます。
また、お客様がパブリッククラウドを利用するのと同時に、私たちもパブリッククラウドにシフトしています。パブリッククラウドは、誰でも簡単にリソースを作れる半面、管理やセキュリティの担保の難しさがあります。私たちのチームは、パブリッククラウドのリソース自体をソースコードとして管理するという仕組みを取り入れています。作りやすさと構成の管理のしやすさの両立をするためにはどうすればよいのか、セキュリティの担保をするためにはどのような取り組みが必要なのかを考えつつ運用を行っています。
海津:そうですね。また、私たちがパブリッククラウド使っていて困るポイントがある際は、提供するソリューションに落とし込み、解決できる機能を入れ込むという取り組みも行っています。
榮:NRIにはパブリッククラウド/コンテナ/ Kubernetes等の技術領域のエキスパートが多数いるので、その知見を活用できたことは非常に助かりました。一方、システム運用という領域における機能要件や性能/セキュリティ/コストといった非機能要件を満たして本番運用に耐えうるシステムを作り上げる点においては、試行錯誤もありました。クリティカルな要件のない運用システムからスモールにPoCを立ち上げ、トライ&エラーを繰り替えして実績をつみあげる方法をとりました。
パブリッククラウドでは、可用性の観点からDB等に関してクラウドベンダーが提供するマネージドサービスを活用するケースが多いと思います。これらサービスについては頻度高くバージョンアップが必要となることが多く、維持管理フェーズにおいていかに労力少なく、品質を保ちながら対応するかが求められます。また、パブリッククラウドを利用すると利便性が大きく向上する半面、セキュリティ確保や、コストコントロールがこれまでのオンプレミス以上に求められます。また、開発生産性が向上し、様々な運用機能拡充が行えたことは良かった半面、各システムへの認証・認可の仕組みを整えないと、運用システムの維持管理負荷が増大します。これら全方位に気を配りながら対応を進めてきました。
海津: 私は、大規模運用業務設計を担当し、ハイブリッド/マルチクラウド運用構築・運用経験してきました。
運用の対象となるシステムもコンテナやパブリッククラウドへの移行が広まっています。そこに伴い運用する側も知識が必要になってきます。チームメンバーが話していたように私自身も技術獲得が大変でした。
また現場で業務をしている方は「今の業務のやり方を変えてほしくない」という方が多いです。課題解決と現場の意見をフィットさせて、運用が良くなっているということを伝え、現場にスムーズに導入できる業務設計を行うことは苦労しました。
Q4:今までの経験を活用することで解決したい課題やNRIとして実現したい夢はありますか?
江口:普段はお客様から「こういった作業に時間かかるから自動化したい」という要望ベースでのモダナイズやサービス開発を行っています。加えて今後は、要望ベースではなく、そもそもどういった運用がよいのか、それに併せてどういうツールが必要なのかという入り方で、お客様と一体となって、システム開発やサービス提供を行っていくことが夢です。
西山:今までは社内の運用のお客様に対してアプリケーションを開発してきましたが、NRIの企業理念でもある「顧客とともに栄える」にもあるように、お客様のお客様(エンドユーザー)にとって価値があるシステム開発や運用を行っていきたいです。
海津:システム運用の領域はお客様にとって「コスト削減・守り・なるべく手間をかけたくない」という意識が高いところだと思っています。ですが私たちとしては、もっと魅力的なサービスをご提供し、守りではなく「攻め」の意識に変化をもたらしていきたいです。私たちが運用を高度化・効率化していくことによって、空いた人員や時間でもっとビジネスに集中できる環境をつくるなど攻めの姿勢でお客様にアピールしていけるようにサービスを作っていきたいです。
榮:システム運用業務の自動化は進んできていますが、まだまだ人手がかかっている領域だと感じています。運用室でオペレーターの方の業務を見ていると、若い方が手順を間違えないようにレ点チェックや復唱をしたりする姿があります。また、監視運用を始めるまでのセットアップの工程においても申請書のやりとりや手動の対応がまだ多く見受けられます。このような手作業の業務を完全自動化したいです。自動化によって、若い方がビジネスを広げるための業務に時間を確保できるようにすることが私の夢です。
Q5:よりよいサービスを提供していくために努力していることがあれば教えてください。
海津:利用者目線で考えていくことを努力しています。私たちはエンジニアなので、どうしても作りやすい・出来上がりが綺麗などの方向へ意識がいきがちですが、実際に業務で使用する方が見る目線だとどうなのかということは常々考えるようにしています。例えばアラートが出た際、私たちは最低限のログが出れば分かりますが、お客様にとっては分かりやすい形ではないことがあります。アラートが出た際にダッシュボードでわかりやすい形にしていくなどの工夫も行っています。
江口:技術のキャッチアップは、大切だと感じています。
何か実現したい際に、技術的に分からない・できないから諦めるということはしたくないです。エンジニアとしてお客様が求めることは全て実現できるように日々、技術のキャッチアップを行っています。
また、私たちのチームはそれぞれが得意分野を持っているので、勉強会を実施し知見を全員で共有するところにも力を入れています。
西山:よいプロダクトを提供するためには技術力と利用者に寄り添うコミュニケーション能力とビジネスサイドの理解が重要だと思っています。この3つがしっかり成り立たないとよいプロダクトは提供できないと思っています。
私は、最近リーダーとしてマネジメントの動きをすることが多いですが、技術力はチームの中で一番あると自負しています。だからすべて私が対応すればいいというわけではなく、継続的にチームとして「強い」状態を作っていきたいと思っています。チーム全員が技術スキルをもって、利用者に寄り添うコミュニケーション能力とビジネスサイドの理解と共感を持って取り組めるようなチームを作っていきたいです。そのためにチームメンバーに対してのコーチングやスキル的なサポート・各個人の悩みの解決に意識的に取り組んでいます。
榮:私たち自身、クラウド上で開発・構築した運用システムを、日々維持管理・運用しています。そこで出てきたセキュリティや自動化の課題は、きっとお客様にとっても課題となると思っています。私たち自身が感じた課題に対する解決策を私たちの運用ソリューションへ継続してフィードバックすることが、お客様にとっても有用なソリューションとなるんだという思いで日々改善を積み重ねています。
Q6:atlax ブログの読者やNRIのお客様にメッセージがあれば、最後にお願いします。
榮:システム運用の領域は、何より安全・安心が求められ、中々変革を進めることが難しい領域だと思います。一方、その変革の一歩を今踏み出せるか否かで5年後・10年後、まったく違った未来になるのではないかということを、私たち自身の取り組みにより実感しています。
当社のシステム運用を自ら変革してきたNRIだからこそ、お客様のシステム運用の高度化に向けてお手伝いできることが多々あると確信しています。何かお困りのことがあれば是非お声がけいただけると幸いです。
atlax編集部の感想
よりよい運用ソリューションを提供していくために、普段からエンドユーザーのもとに足を運んで状況確認を行ったり、お客様から社内の方まで様々なところから意見を吸い上げながらサービス開発を行っており熱意がとても伝わるチームの取材でした。
また、チーム一丸となってお客様に寄り添うためにチームとして技術のキャッチアップやそれぞれの得意領域を生かしながら情報交換も行っているという姿にとても感動しました!
引き続きatlaxブログでは、熱い思いをもってソリューション開発やサービス提供を行っているメンバーをご紹介していきます。
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*1:マイクロサービスと呼ばれる相互に依存する複数の小規模なサービスで構成されるソフトウェアプログラム