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NRIの先進テクノロジーに関する取り組み ~ AI による 広告向けモデル画像合成 ~

IT基盤技術戦略室

小売・製造、金融・公共をはじめ、幅広い業界において「先進技術を活用して ビジネスモデルを変革(DX)し、お客様へ価値提供していきたい」という テクノロジー活用への期待が高まっています。一方、その期待に反して、技術変化のスピードが速く、技術キャッチアップや その活用が難しいといった悩みもお聞きします。

そのような声にお応えするため、株式会社野村総合研究所(NRI)では「潜在的な 顧客ニーズ発の技術調査」「技術動向を見据えた 先進技術の早期評価」「獲得した技術の 事業適用」に 継続的に取り組んでいます。このような活動を通して、NRIは 専門知識を用いて 企業様のビジネスとテクノロジーの架け橋となり、DX 実現まで伴走します。

このブログでは、NRIで推進している 先進的な技術獲得の取り組みについて、以下の通り 複数回に分けてご紹介していきます。

NRIの先進テクノロジーに関する取り組み - AI による 広告向けモデル画像合成

- 本シリーズブログで紹介する テクノロジー領域。

今回は、「広告宣伝分野に利用可能な 顔合成技術」に関する調査研究の成果をピックアップしています。

広告宣伝分野に利用可能な 顔合成技術

NRIでは、AI(人工知能)分野においては、文章生成技術や ロボティクス技術など 様々な領域での技術獲得活動を行っています。お客様の新事業開発を促進するような大きなテーマもありますが、既存の AI 技術の ちょっとした適用先開拓に関するテーマにも取り組んでいます。このブログ記事では、既存の AI 技術の適用先開拓として、顔画像を合成する技術の ビジネス適用に関する取り組みをご紹介します。

AI を活用した 顔の変換・合成技術には、元の顔の特徴を残したまま(時として原型をとどめないほど)美男美女に変換したりするものもあれば、元の顔を 別の人の顔に似せてしまうものもあります。後者はディープフェイクと呼ばれる技術が有名ですが、芸能人の肖像権を侵害する形で使われたり、政治家のフェイク演説に使われたりする事例がでていることから、社会的に問題になっています。ここでは、後者の技術を「誰にも迷惑がかからない形で ビジネス適用をしてみた」という事例の紹介をします。

「人の顔」は その存在自体が人目を引くため 広告宣伝のクリエイティブ(広告用に作成されたグラフィック等のコンテンツのこと)としては不可欠です。また、企業の 一部署が作成する ちょっとした商品紹介やサービス案内といった映像の中でも、ナレーションをする人が出演していることで印象が良くなり、信頼性が増すといったことはよくあります。ただ、タレントを起用するような予算も時間もなく、映像の専門家でもない担当者がひとりでコンテンツを制作しなければならないということは、ビジネスシーンの中で 非常に増えていると思います。無名の(低コストの)タレントを起用する場合でも、コンテンツに合わせて 毎回撮影し直す必要があるため、日程調整などに時間がかかります。人の顔を出そうとすると、どうしても担当者がインターネット上から フリーの素材をかき集めて コンテンツを作成するような 手軽さにはなりません。このような ちょっとしたクリエイティブに対して、例えば担当者本人や 他の社員をモデルとして撮影した上で AI に 顔を合成させることで、クリエイティブのレベルを 一段上げることが可能になります。

AI が 顔を合成する際には、ターゲットとなる誰かの顔に似せることが必要になりますが、実在する人物の顔を使うと 肖像権の問題が発生します。このため、NRIでは ターゲットの顔自体も AI で合成することで、誰にも迷惑がかからないクリエイティブを簡単に作ることを試みました。

手軽な顔合成を 広告クリエイティブに応用する際の 課題と解決策 - AI による 広告向けモデル画像合成

- 手軽な顔合成を 広告クリエイティブに応用する際の 課題と解決策。

顔を撮影する際の アングルや眼鏡・帽子などの装着物に 一定の制限はかかりますが、非常に簡単に顔の部分を合成した クリエイティブ画像・映像を作ることができました。現在、NRIが 関与している B2C サービスの広告の中で、この技術を使おうという取り組みを進めています。

企業や商品のイメージキャラクターとして タレントを起用する際には、そのタレントのイメージや性格・生い立ちまでをも 企業・商品イメージに重ねることで 消費者にアピールします。このような起用の目的から見ると、この世に存在しない顔を AI で簡単に合成したクリエイティブでは 実際のタレントのように確立されたイメージを持てないため、この領域を AI が代替していくような将来像は 想定しにくいかもしれません。しかし、スマートフォンで高品質な映像を 誰もが簡単に撮影できるようになってきた今、「お金をかけずに担当者が作る ちょっとしたクリエイティブ」という領域は、今後も大きく広がると考えられます。このような裾野領域では、コンテンツ作成に AI を活用する取り組みも 一般化していくことでしょう。

NRIでは、このように技術トレンドを先取りし、自社のソリューションや技術そのものの提供を通じて、お客様のビジネス課題への支援を継続していきます。

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# AI(人工知能) # 顔合成 # 広告 
# クリエイティブ

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