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2025 AWS Top Engineers 受賞者 (1) AI/ML Data Engineer

atlax 編集部

2025年もアマゾンウェブサービス(AWS)より2025 Japan AWS Top Engineers(以下、AWS Top Engineers)が発表され、13名のNRI社員が選出されました。

「2025 Japan AWS Ambassadors」および「2025 Japan AWS Top Engineers」に、NRI社員が選出されました | atlax (アトラックス) | 野村総合研究所 (NRI)

atlax 編集部では、「AI/ML Data Engineer」「Service」「Networking」「Security」それぞれのカテゴリー受賞者によるインタビューを実施しました。

左:朝日英彦 右:平井周

まず登場するのは、今年新設されたAI/ML Data Engineerカテゴリーを受賞した朝日英彦、平井周です。
朝日は、2022年からDatabaseカテゴリーにてAWS Top Engineersに選出されており、今回、新カテゴリーでも引き続いての受賞となりました。平井は2024 Japan AWS Jr. Champions(以下Jr. Champions)に選出、今年AWS Top Engineers初受賞となりました。

今回のブログでは、この2名の自身の精力的な発信活動の背景にある思いなどをご紹介します。

 

2025 Japan AWS Top Engineers 選出おめでとうございます!これまでのキャリア、現在のご担当業務やAWSとの出会いを教えてください。

朝日:私は主にオンプレのデータベースを活用したシステムのアーキテクチャ設計や構築・運用などを担当していました。現在は様々なクラウドを活用し、お客様のミッションクリティカルなシステムの設計検討や構築に携わっています。AWSを業務で利用しはじめたのは2017年頃で、主にAmazon Redshift のようなデータウェアハウス系のシステムへの移行を担当していました。その後、Amazon RDSをはじめとしたデータベースサービスに新しいモデルや機能がリリースされるとその新サービスについて検証し、結果をブログなどで発表するようになりました。

平井:私は入社時の配属先がパブリッククラウドを扱う部署で、AWS, Microsoft Azureをはじめ、さまざまなクラウドに頻繁に触れる機会がありました。
入社後しばらくは、保険業界のお客様向けにAzureに関する技術支援を行っていましたが、3年目にAWSの案件にも携わりたいと自分から手を挙げ参画するようになりました。現在は入社5年目で、NRIが提供するパブリッククラウド運営サービス「QUMOA」のAWSに関する運営を担当しています。

AWSに関わりたいと考えた理由は、マルチクラウドを扱えるという自分の強みを作りたかったからです。近い年代の人が特定のクラウドのスペシャリストを目指す姿を見て、同世代の中で自分の色を出していくためにはどうすればよいか考えるようになりました。AWSを選んだのは、案件が多種多様でさまざまな機能に触れる機会も多くなることと、AWSのスペシャリストとして活躍する先輩が身近にいてキラキラして見えたからです。

 

どのような活動が今回の選出に繋がったと感じていますか?

朝日:2022年にDatabaseカテゴリーができて以来同カテゴリーでAWS Top Engineersに選出いただいていました。2025年からAI/ML Data Engineerに統合されましたが、引き続きデータベース分野での活動が評価いただけたと思っています。データベース関連の著書の出版や、ブログやAWS関連のイベントなどでの発信活動の継続も評価されたと認識しています。

平井:私はAI分野での活動を評価していただけたのかなと思います。今回の評価に繋がったと考えている活動は2つあります。

1つはAIを活用したサービス作りです。自分と同じQUMOAチームの所属で2025 Japan AWS Ambassadorsを受賞した蒲さんらと一緒にAIを使った社内向けサービスを構築しました。生成AIが注目され始めた当初からRAGやAIエージェントといった技術に着目し、知見を蓄積したことが選出に繋がったと思います。

2つめは発信活動に力を入れたことです。昨年はJr. Champions受賞者を対象としたさまざまな交流会に参加し、同世代の他社の方々と意見交換することができました。技術的に先進的な取り組みを実施している企業から選ばれた人もいる中で、自分もAWSのAIについては他社に負けないほどの知見を持っていると、交流会を通して感じていました。「今自分がやっている活動は、他社でもまだあまり例の無いことなのではないか。これは対外的にもスピード感を持って発表すべきだ。」と考え、執筆や発表といった発信活動に力を入れたことも評価されたと思っています。

 

今年新設されたAI/ML Data Engineer カテゴリーでの受賞となりました。このカテゴリーが生まれた背景と意義をどのように捉えていますか? 

朝日:AIやMLを使うには基本的にはデータが不可欠であり、そのデータを蓄積するデータベースも重視されているのだと思います。Amazon S3 Tablesに見られるように、AWSは蓄積されたデータの活用に力を入れていて、「AI/MLとデータ/データベースは一体である」という考えのもと、このカテゴリーが新設されたのでは、と考えています。

平井:昨今はどのパブリッククラウドもAIのサービスを提供していますが、AWSもAIやデータ関連のサービスは特に頻繁にアップデートしつづけています。AIの利用を前提としたシステム基盤の拡充を目指すAWSの意図も感じており、このカテゴリーの新設は自然な流れだと思っています。
これまでAWS Top Engineersはサービスやソフトウェアといった括りでカテゴリーが設定されていましたが、AIはあらゆるサービスに横断的に利用することができます。AWSのAIを扱っていてAWS Top Engineersに選出されたことで、さまざまな場面で自分を打っていくための肩書きにもなっています。

 

イベントでの登壇や書籍執筆など、精力的に発信活動を続けるモチベーションは何ですか?

平井:私自身はもともと発信活動にそれほど意欲的ではありませんでしたが、先輩や同僚たちが積極的に発信している姿を見て「自分の知見も発信するべきでは」と思うようになりました。お客様の前で話す機会は若手のうちはそれほどありませんが、今後のために場慣れしておくべきだと考え、クラウド関連のイベントへの登壇や勉強会での発表など積極的にチャレンジするようにしています。インプットした知識が相手に伝わるよう自分の言葉でアウトプットすることで、自身の知識の定着にも繋がりますし、社外のネットワークが広がることもモチベーションになっています。

朝日:Jr. Championsとして発表する機会はあるのですか?

平井:はい。Jr. Championsの交流会は月に一度程度開催され、LTの時間も設けられています。そのため、毎回いざというときに話せるネタを準備するよう心がけていました。NRIが新しいことに積極的に取り組んでいることを、他社のエンジニアにもアピールしたいと考え、AWSから発表されるアップデート情報を意識的にウォッチしたり、新機能を試したりもしました。LTは5,6分程度ですが、発信できるテーマを考えながら業務に取り組む習慣が身につき、良い機会だったと感じています。

朝日:私は、社外向けの発信は技術面での個人的な興味を深掘りした結果を発表する場と考えて、新しい機能やサービスがどんなものなのかを実際に触って、確認したことを発表しています。発信したことについてクラウドベンダーから評価を受けることもモチベーションのひとつにはなりますが、知識を自分の中だけに留めておいても仕方がないので、純粋に自分の知見を必要とする人に共有したいという気持ちも大きいです。

社内に向けては、情報を共有することで、社内コミュニティの連携を強めたい・コミュニティを活性化させたい、という思いがモチベーションになっています。

平井:データベース関連のアップデートがあると、自分では理解しきれない部分があるので朝日さんの解説を待っているという人が社内には多いと思います(笑)

社内外問わず発表できるテーマとしては、若手ならではの視点で「やろうと思ったけどできませんでした」というのはいいテーマだと思います。ベテランエンジニアの先輩方にとっては当たり前のことでも、初心者はこんなところでつまずいてしまうという失敗談は、お客様目線では共感を呼ぶ部分もあると思います。後輩が発表する際に勧めているテーマのひとつです。

 

現在のやりがい、ご自身がエンジニアとして大切にしていることなどもお聞かせください。

朝日:エンジニアとしては当然の振る舞いかもしれませんが、「なぜ?」とひとつひとつを分解して考えることを心がけています。仮説として一度全体像を考えてから、その結論に至った理由をいくつかのブロックに分け、ひとつひとつに理由付けをしてロジックを組み立てるのは大切なことだと思います。

知識面では「深く、広く」をイメージしてインプットするようにしています。具体的には専門分野を深く、そして技術的な興味は広く、という意識です。NRIにはそれぞれの分野について深く知識をつけたスペシャリストがたくさんいます。特にクラウドにおいては、AWS, Google Cloud, Azure, OCIのそれぞれに突出して詳しい人がいますが、私たちはSIerなので、幅広くいろいろなサービスやソリューションの知見を蓄え俯瞰的な視点を持つことで、お客様の課題に対して最適な解決策を提供する必要があります。AWSやクラウドに限らず幅広い分野の知識を蓄え、あらゆる手段を比較・検討した上で、ベストなソリューションを理由と共にお客様に提案できるエンジニアでありたいと思います。

平井:私は入社2,3 年目まで、お客様の想定通りに動くものを作ることがゴールだと思っていましたが、今は「なぜこのサービスがあって、どういった仕組みでこのように動くのか」を対外的に説明できることを心がけています。ひとつのシステムを作る際、実現する方法はたくさんありますが、「なぜそのパブリッククラウドを選び、この構成で作るべきなのか」を、お客様への提案や勉強会での発表で常に話せるようにしておきたいと考えています。朝日さんのお話にもありましたが、そのためには幅広く知識を持っておきたいと考えています。
NRIには各分野のスペシャリストがいるので、ひとつのクラウドに詳しい、というだけでは、自分の武器を手に入れるのは難しいなと感じています。

朝日:それぞれのスペシャリストがいる中で自分は何にスペシャリティを求めるのか、みんな考えていることだと思います。

 

今後、NRIのエンジニアとして実現したい夢や目標はありますか?

朝日:個人での発信活動はもちろん、NRIとしてもっと外部に発信できる人材を増やしていきたいです。認定トップエンジニアの表彰制度はAWSをはじめ各クラウドにあるので、社内でも多くの人にチャレンジできるような環境を整えていきたいと考えています。私がこうして発信活動をすることで若手のメンバーのモチベーションを上げて、イベント登壇などで一緒に活動することで、彼らが外部に露出する機会につながると良いと思っています。私が活動することで発信に興味のある人とのネットワークを広げていければ、組織として発信活動を活性化できるのではないかと思います。

平井:今回AIのカテゴリーで選出していただいたことで、担当外の案件でもAI関連の提案に付き添っていろいろなお客様を訪問し、NRIのAIの取り組みについてお話しする機会が増えました。技術面の話をお伝えすることはもちろんですが、お客様がAI活用のハードルを高く感じてしまわないよう、お客様の気持ちに寄り添いながら選択肢のひとつとして「AIを導入してみませんか」という提案をできるようになるのが、今の目標です。
お客様の選択肢を増やせるよう、社内のメンバーと一緒に新しいアイディアやサービスを生み出していきたいと思っています。

 

atlaxブログの読者やNRIのお客様にメッセージがあれば、最後にお願いします。

朝日:NRIには各分野のスペシャリストがそろっており、幅広く深いナレッジがあります。どんな技術であっても詳しい人が必ずいるので、私個人だけでなく社内の知見もご紹介しながら、お客様の悩みに寄り添い課題解決を推進していきたいと考えています。

平井:今回私たちはAWS の中のAI/ML Data Engineerカテゴリーでの受賞でしたが、朝日さんのおっしゃる通り、他のカテゴリー、他のパブリッククラウドでも認定トップエンジニアを受賞しているメンバーはたくさんいます。クラウド以外の技術も含め、NRIにはさまざまなスペシャリストがいるので、あらゆる分野でお客様をサポートできればと思います。

 

取材を終えて

AIに注目が集まる時流の中で新設されたAI/ML Data Engineerカテゴリーですが、朝日と平井がより広く深い知識を求め最新技術にキャッチアップした結果受賞できたものなのだろうと感じました。また、周囲を巻き込むことで新しいアイディアの創出や社内のコミュニティ活性化に繋げる活動は、日々アップデート重ね新たな価値を生み出すAWSの先進性にも沿っており、こうした活動が総合的に評価され、いま注目の技術のスペシャリストとして認定されるに至ったのでしょう。

2025 AWS Top Engineers受賞者シリーズとしては、次回はServiceカテゴリーで選出された4名へのインタビューの様子をお届けします。ご期待ください。

 

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