はじめに
こんにちは、NRIの平井です。AWS・Azureの導入・運用管理などの技術支援に携わっています。
今回は、週次で開催しているAzureの社内勉強会における、初心者向けテーマをご紹介します。
有志や社内で開催している勉強会は、その分野の技術が好きな人が先導して運営しているため、どうしても高度な内容になりがちではないでしょうか?NRIのAzure社内勉強会では、若手や初学者にとって勉強会への参加の敷居を下げて積極的に参加してほしいという想いから、月に一度程度「初心者枠」を設けて、「〇〇やってみた」や「業務でこんな課題ある」といった内容を発表しています。その中から2022年度に、入社1~2年目の若手社員が発表したテーマについてご紹介します。
「Azureの初心者ってどんなことから勉強したらいい?」「学び始めたばかりの人はどんなところで躓くの?」「勉強会の発表テーマってどんなこと話せばいい?」といった悩みを抱えている方に、ぜひおすすめしたい内容となっています。
初心者の発表を5つご紹介!
ひとえに「初心者」といっても、その技術を知っている人の技術レベルや視野によって捉え方はさまざまですよね。Azureの「A」の字も知らない方を指す人もいれば、一人前になっていない人を「初心者」で一括りにしてしまうケースもあるかもしれません。
今回のブログでは、「Azureはじめまして」からはじまり、「他の技術でをAzureで実現できるのか」や「業務がきっかけで勉強してみた」、「他クラウド有識者によるAzure触ってみた」という内容で発表されたコンテンツを紹介します。
1. VMにping飛ばしてみた
Azureをはじめとした、パブリッククラウド初心者にとっては、そもそも「仮想マシン(VM)」を構築するためには何からすればいいのか、分かっていないこともあります。この発表では、そんなAzureはじめましての方が、「リソースグループ」や「仮想ネットワーク」など仮想マシンを構築するための基礎や、仮想マシンの設定画面で気になった箇所を共有しながら発表しました。
経験者にとっては何気なく設定している画面ですが、改めて共有することで、参加者から多くの体験談が寄せられました。
今回は、pingが飛ばせずつまずいていた箇所について、Windows Defenderのファイアーウォール設定を無効化したことで、無事pingも飛ばすことができたという内容でした。
2. Twitter データ分析環境をAzureで作ってみた
続いては、趣味枠で「やってみた」系の発表のご紹介です。Twitterから特定の関連ツイートをAPIで収集してリアルタイムで可視化を試みた経験がかつてあるということから、Azureで作るとどうなるかという観点で、一般公開されている記事を参考に分析環境を作ってみたという内容です。
Visual Studio Code上でAzure Functionsに関してできることを色々試しつつ、Azure Data Lake Storageに転送することに適した方法などを共有する会になりました。また、Cognitive Serviceのセンチメント分析を使用してツイートの感情度合いを数値化してみたところまで実施しており、AIの知識に疎くてもAzureのAIサービスは誰でも比較的簡単に試用できそうということが分かりました。
センチメント分析とは:ブログやSNSなどに書き込まれた情報から感情を分析する手法
3. Azure上でOCIのDBを構築してみた
続いては、他クラウドの有識者からの発表です。昨年にこんなニュースが発表されました。
Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上で動作するOracleデータベースサービスを、Azureからシームレスに使用可能になったというアップデートになります。「これはAzureよりOCIを普段使っている人に試してもらった方が色々試してもらえるはず!」ということで、OCIを業務で使用している若手社員に発表してもらいました。
普段Azureを使ってない人(使ってる私もですが、、)にとっては、Azure AD周りの適切な権限設定等はやはり躓きポイントでした。一方で、Oracle Database Service for Azure(ODSA)から公開されている手順などを参考にすれば、DB作成自体は容易でOCI上の設定は不要ということが分かり、AWS以外のパブリッククラウドのマルチクラウド人材に足を一歩踏み入れたという発表でした。
ODSAとは:Azure上に構築したアプリケーションからOCI上のOracleのデータベースと高速に接続し使用するができる
詳細はこちら:https://blogs.oracle.com/oracle4engineer/post/ja-odsa-technical-overview
4. アクセスログ分析環境の構築を検討
ここからは、発表者自身の業務に絡んだ内容のご紹介です。
顧客サイトのアクセスログがAzureのストレージに転送されるシステム構成になっていることから、Azure上で顧客サイトのアクセス動向を自動分析したいというエンハンステーマを検討中だったということで、「実現したいこと」「解決したい悩み」を中心に発表していただきました。
Azure Data Explorerを分析環境として採用し、Azure Logic Appsを使用して自動化するという構成をもとに、権限周りの整備方法やコスト試算、コスト削減に関する考え方や構成の改善ポイントなど、参加者に意見を伺いながら進行する、お悩み相談会のような発表となりました。
Azure上の環境を初めて動かした際に、従量課金でどれぐらい請求されるか不安だったという感想や、採用したサービスが最適解かと判断がむずかしいといった点は、パブリッククラウドを使ったことがある方なら一度は思ったことありますよね。さまざまな知見が集まることも勉強会のメリットだと感じられる回でした。
5. 業務で発生したAKS障害やトラブル
最後はAzure Kubernetes Service(AKS)に関して、業務中に発生した障害や暫定対処法について発表した回ご紹介です。
AKSのノードでUbuntuパッチのバグが発生し、Podが名前解決できなくなる障害が発生したのですが、その際にクラスタ再起動や自動アップデートを無効化するPodを立てたことで暫定的に対応したことなどに触れてもらいました。
その他にも、自己研鑽として発表者が学習している「Kubernetes The Hard Way on Azure」についての紹介もありました。
Kubernetes The Hard Way on Azureとは:AKSではなく、あえて自分でVMを立ててクラスタを構築しながら、KubernetesやAKSの理解を深めるという学習コンテンツ
詳細はこちら:https://github.com/ivanfioravanti/kubernetes-the-hard-way-on-azure
実際に取り組んだ際に生まれた戸惑いポイントや躓いた点を共有してもらい、AKSの学習に留まらず、Kubernetes自体の知識も獲得しているという発表でした。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、社内で開催しているAzureの週次勉強会での取り組み「初心者枠」で発表された内容についてご紹介しました。自己研鑽や勉強会発表のネタ探しの参考になればまた、勉強会だけでなくクラウドに悩まれることがあれば、ぜひお気軽にご連絡ください。
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