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約2年半ぶりのオンサイト開催! Microsoft Ignite Spotlight on Japan 参加報告

小泉 裕

はじめに

こんにちは。NRIの小泉です。

大手のクラウドベンダーでは、毎年大規模なカンファレンスを開催しています。
AWS だと「AWS re:Invent」、Microsoft (Azure)は「Microsoft Ignite」、Oracle (OCI)では「Oracle CloudWorld」といった具合です。その他にも、開発者向けのカンファレンスであったり、パートナー企業向けのカンファレンスであったりと、様々なカンファレンスが開催されていますが、一番大規模で代表的なものは、いま挙げたものとなります。

Microsoft Azure の カンファレンスについては、以下のブログで まとめていますので、ぜひご覧ください。

・atlax ブログ / Microsoft Azure の カンファレンスには どのようなものがあるの?

その中で、2022年10月12日(水) ~ 14日(金)に、Microsoft Ignite が 開催されました。Microsoft の イベントとしては、約2年半ぶりに オンサイト開催(デジタル配信もあり ハイブリッド形式で開催)ということで、現地に行ってきましたので、会場の雰囲気などをお伝えできればと思います。



Microsoft Ignite とは

Microsoft Ignite は Microsoft が 開催するカンファレンスで、最新のアップデート情報や 新サービス、今後の展望などが発表されます。様々なセッションも用意されており、Azure のベストプラクティスや活用事例なども学ぶことができます。また、Microsoft Ignite では Azure に限らず、Microsoft 製品全般(Windows や Office 製品など)が 扱われるという点も 特徴的です。

コロナ禍になってからは デジタル配信となっていましたが、今年は人数制限を設けて オンサイトでも開催し、デジタル配信と併せた ハイブリッド開催となりました。アメリカ(今年は シアトル)での オンサイト開催はもちろんのこと、Microsoft Ignite Spotlight として 複数国でのオンサイト開催も復活となりました。

Microsoft Ignite Spotlight は、以前 Microsoft Ignite The Tour と呼ばれていたものになります。日本も Microsoft Ignite Spotlight の対象国であり、2022年10月13日(木) ~ 14日(金)に 東京ミッドタウンで開催されました。日本独自のコンテンツが盛りだくさんで、カンファレンス あるあるの「英語だからあまり分からない… 自動翻訳も精度が…」という ストレスもなく楽しめました!

カンファレンスの キーノートや 各種セッションは、Microsoft Ignite 公式サイトで公開されています。Microsoft Ignite 自体は 既に終了しましたが、オンデマンド配信のセッションも たくさんありますので、今からでも確認してみては いかがでしょうか?

・Microsoft Ignite 公式サイト ※外部サイトへ



オンサイト開催の様子

今年は、東京ミッドタウンにて 開催されました。

今年は 東京ミッドタウンにて開催 - 約2年半ぶりのオンサイト開催! Microsoft Ignite Spotlight on Japan 参加報告

NRIも、Featured Partner として 協賛しております。

NRIも Featured Partner として 協賛 - 約2年半ぶりのオンサイト開催! Microsoft Ignite Spotlight on Japan 参加報告

NRIの 畑 寛之 が セッションの スピーカーとして参加し、「atlax for Microsoft Azure - お客様の DX を実現する NRIの取り組み -」と題して、NRIの Microsoft Azure に向けた取り組みや お客様への Azure 適用事例のご紹介、atlax のご紹介をしています。オンデマンドで配信されていますので、ぜひ 以下のページからご覧ください。

・Microsoft Ignite / セッション / atlax for Microsoft Azure - お客様の「DX」を実現する NRIの取り組み ※外部サイトへ

会場は、セッション会場と Expo 会場の 2部屋に分かれていました。

セッション会場では、キーノートや パートナーセッションなどの メインセッションを行っていました。100人程度が座れる部屋でした。

セッション会場 - 約2年半ぶりのオンサイト開催! Microsoft Ignite Spotlight on Japan 参加報告

Expo 会場では、Microsoft MVP による 対話式のセッションや、Expert への質問ブース、Microsoft 製品(Microsoft Surface や Microsoft HoloLens など)の紹介ブースがありました。いろいろとノベルティが もらえるブースもありましたので、そこは最後にまとめて紹介します!

また、Expo 会場では、時間帯によって 軽食やコーヒーなども提供されました。

Expo 会場 の 軽食やコーヒー - 約2年半ぶりのオンサイト開催! Microsoft Ignite Spotlight on Japan 参加報告

コロナ禍で、オンサイト参加の人数制限はありましたが、いざ会場に行ってみると、人数制限を感じさせない盛り上がりでした。

全体を通して

"Do more with less"

今年の Microsoft Ignite では、この言葉がキーワードとなっていました。「より少ない時間 / リソース / コストで 生産性をあげて より多くのことを実現する」といった 意味合いです。

AI や Power Platform を活用した自動化や、セキュリティ対策を よりマネージドに寄せて 開発者はビジネスロジックに集中できるようにしようという動きなど、すべての発表の軸として このキーワード「Do more with less」があるように思いました。

・Microsoft / News Center Japan / マイクロソフトのテクノロジで実現する「Do more with less」: Microsoft Ignite Japan Keynote ※外部サイトへ

Microsoft 365 製品の拡充

Withコロナでの働き方というところも、引き続き 注力しているようでした。去年の Microsoft Ignite では、チームの共同作業を より円滑にするためのプロジェクト管理アプリとして「Microsoft Loop」が発表されましたが、今年は オフィスでの会議室利用を最適化できる「Microsoft Places」が発表されました。まだ詳しい機能は分かりませんが、リアルな会議室とオンラインミーティングを 一括で管理できるようで、まさにハイブリッドワークとなっている 現代のニーズに合うサービスだと思いました。

「Teams Premium」という Microsoft Teams の 新たなサブスクリプションが、今年の 12月に プレビュー提供されることも発表され、Microsoft Teams で 会議を行った際に AI が自動で会議のまとめを作成してくれる機能などが追加されたようです。日本でも 多くの企業で利用されている Microsoft Teams を中心に、Microsoft 365 製品が拡充されていく傾向は、今後も続くのではないかと考えられます。

・Microsoft 365 Blog / Microsoft Places をご紹介します: 空間を場所に変える ※外部サイトへ

宇宙事業の拡大

他には、宇宙事業にも 力を入れているように感じました。宇宙関連のアップデートとしては、先月、地上局向けサービス「Azure Orbital Ground Station」が 一般提供となり、地球上のどこからでも 低遅延のクラウドアクセスを可能にする 新サービス「Azure Orbital Cloud Access」が プレビューとなりました。

Microsoft では、企業ミッションとして「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする(Empower every person and every organization on the planet to achieve more)」ということを掲げています。地球上のどこからでもクラウドにアクセスできるようにして、より多くの人がクラウドの恩恵を享受できるようになる宇宙事業は、まさに企業ミッションに沿った事業だといえます。

また、今回 向井千秋さんをゲストに迎え、対談するセッションがありました。私自身、Azure Space をはじめとした 宇宙系サービスを知ってはいたものの、自分とは遠い話だと思っていました。しかし、セッションの中で 向井さんがお話された「地球も宇宙の一部であり、宇宙進出のために研究した技術は 地球上でも役立つ」という言葉で、今までよりも宇宙を身近に感じることができました。まだまだ 発展途上の分野ですが、今後も注目して 動向を追っていきたいです。

・Microsoft Azure / 製品 / Azure Orbital Ground Station - 衛星通信 ※外部サイトへ

個人的に気になった アップデート 3選

Microsoft Ignite で 発表された内容は、以下のページでまとまっています。

・Microsoft Ignite 2022 Book of News ※外部サイトへ

個人的に気になった アップデートを 3つ紹介します。

01. Azure Cosmos DB for PostgreSQL

Azure Cosmos DB の基盤上で PostgreSQL と 分散データベースエンジン(Citus)を実装した、Azure Cosmos DB for PostgreSQL が 一般提供となりました。Azure Cosmos DB は、もともと NoSQL データベースのサービスであったため、今回 リレーショナルデータベースである PostgreSQL が サポートされたという発表は、なかなかの衝撃でした。一つのサービスで リレーショナルデータベースと NoSQL の どちらもサポートされるのは、パブリッククラウド業界初ではないでしょうか。今後の動向に注目です。詳しくは こちらをご覧ください。

・Microsoft Learn / Azure Cosmos DB for PostgreSQL の概要 ※外部サイトへ

02. Microsoft Defender for DevOps

Microsoft Defender for DevOps が、Microsoft Defender for Cloud の 1プランとして プレビュー発表されました。Microsoft Defender for Cloud は CSPM / CWPP 機能を備えた マネージドな セキュリティサービスです。Microsoft Defender for Servers や Microsoft Defender for SQL など、ワークロードごとに プランが分かれておりますが、その 一つとして 今回 新たに Microsoft Defender for DevOps が加わります。

GitHub や Azure DevOps と接続し、リポジトリ内のシークレット数を表示したり、コードをスキャンして脆弱性がないかを確認したりすることができるようです。パイプラインを構築して DevOps な開発が多くなってきている中で、実際にデプロイする前に セキュリティの問題を発見して 教えてくれるのは 心強いですね。詳しくは、こちらをご覧ください。

・Microsoft Learn / Microsoft Defender for DevOps - 利点と機能 ※外部サイトへ

03. Microsoft Designer

Microsoft Azure とは あまり関係ありませんが、Microsoft Designer という 新サービスが発表されました。テキストや元となる画像などを入力値として、SNS への投稿や招待状、パンフレットなどのデザイン画像をいい感じに作成してくれるサービスです。内部の AI 技術には、OpenAI が開発した画像生成 AI「DALL·E 2」が使われています。OpenAI が提供する AI モデルを 利用可能なマネージドサービス「Azure OpenAI Service」も、去年の Microsoft Ignite で発表されたため、引き続き AI サービスには 注力して取り組んでいるように思います。

私のような美術センス皆無の人間にとっては 非常に嬉しいサービスだなぁと 印象的だったため、このラインナップに含めました。現在は Microsoft Designer の 順番待ちリストに メールアドレスを登録して、順番が回ってきたら使えるという プライベートプレビューのような状態ですので、興味がある方は、ぜひ下記のリンクから登録してみてください。

・Microsoft Designer - Stunning designs in a flash - ※外部サイトへ

 

ノベルティ紹介

今回の戦利品は こちら!

ノベルティ - 約2年半ぶりのオンサイト開催! Microsoft Ignite Spotlight on Japan 参加報告

ノベルティをもらえる機会は、以下の 3つでした。

01. Ignite クイズチャレンジ抽選コーナー

クイズチャレンジがありました。会場の QR コードからアクセスできるページで、簡単な選択問題が 3つと、Expo 会場に点在する キーワードを入力すれば OK で、1人1回 くじを引けます。

クイズチャレンジ - 約2年半ぶりのオンサイト開催! Microsoft Ignite Spotlight on Japan 参加報告

くじの結果はというと、なんと 1等が当たって、水筒をゲットしました! Microsoft Ignite のステッカーは、参加賞として もらえました。

02. 好きな Microsoft 製品 / サービスを 動画で投稿

その場で、好きな Microsoft 製品 / サービスを紹介する 10秒程度の動画を撮影し、Microsoft が提供する ビデオディスカッションアプリ「Flip」に投稿すれば ノベルティをもらえるという企画を行っていました。いくつかある中から選べましたが、汎用的な小物入れを 2点ゲットしました!

03. デジタルの資格バッジを見せて リアルバッジをゲット

Microsoft 認定の資格を持っている人は、デジタルの資格バッジを見せることで、本物のバッジをもらえました。私は Associate 資格、Expert 資格ともに持っていますので、それら 2つのステッカーと、Expert のバッジをゲットしました! ステッカーは、早速 会社の PC に貼りました(笑)

おわりに

Microsoft Ignite の内容や 現地会場の様子が、少しでも伝わったでしょうか?

やはり、現地会場に行くのは モチベーションがあがっていいなと思いました。デジタル配信だと片手間で見てしまいますが、現地会場だと集中して見られる点もいいですね。

クラウドは、日々アップデートしていくものです。使いこなすには キャッチアップが欠かせません。すべてとは言わずとも、Microsoft Ignite のような 主要カンファレンスは、ぜひ 参加してみては いかがでしょうか?

 

お問い合わせ

atlax では、幅広い分野における Microsoft Azure の活用をはじめ、ソリューション・サービス全般に関するご相談やお問い合わせを承っております。



NRIの Microsoft Azure における取り組み

野村総合研究所(NRI)は、コンサルティング、システム開発・運用、アナリティクスといった 幅広い分野で、お客様の課題解決に Microsoft Azure を活用し、DX の実現に取り組んでいます。

また NRIは、「Data & AI」 「Digital & App Innovation」 「Infrastructure」の 3つの分野で、ソリューション パートナーを 取得しています。

・atlax / クラウドの取り組み / Microsoft Azure ※カテゴリーTOPページ



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