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ラスベガスで開催された「Oracle CloudWorld 2022」に登壇!チームの取り組みやOracle APEXの魅力についてインタビュー

atlax 編集部

(左から) 一色 章太、大井 昭久、大岡 拓斗

2022年10月17日 ~ 20日、米オラクル社が米国ラスベガスで開催した国際的な大規模イベント「Oracle CloudWorld 2022」にて、ローコード開発プラットフォームOracle Application Express(以下、Oracle APEX)に関するNRIにおける取り組みと、証券ソリューション事業本部経営ダッシュボードプロジェクトでの活用事例を紹介しました。経営ダッシュボードは、「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」を世界で初めて採用した専用パブリッククラウド環境であるNRIクラウド Fusion区画とOracle APEXを活用した先進的な事例で、セッションは事前予約、当日共に満席(100席)となり、海外からも大きな期待が寄せられました。

今回は、「Oracle CloudWorld 2022」に登壇した、NRIでOracle APEX活用に取り組む注目のチームの大井 昭久、一色 章太、大岡 拓斗に、ローコード開発についての熱い思いをインタビューしました!

Q1:チームの取り組みの内容について教えてください。

大井:私たちのチームは、システム開発の生産性向上に向けた、アジャイル開発やローコード・ノーコードツールを活用したシステム設計・開発、ツールの拡張機能開発、お客様の導入支援を行っています。2019年頃から、Oracle APEXの可能性に注目し調査やPoCを重ね、現在は、お客様の新規事業開発や大規模基幹系システム開発への適用を進めています。

実際にプロジェクトでOracle APEXを適用する場合、標準機能だけではカバーしきれない部分があり、カバーできないところをどう対応すれば良いか、解決策の検討やノウハウの蓄積を繰り返し、様々なプロジェクトで活用できるようになっています。

例えば、スクラッチ開発におけるCI/CDのような機能がOracle APEXにはなかったので開発しました。また、Oracle APEXを前提としたアプリケーション開発プロセスや設計・開発方式の標準化、アプリケーション共通処理の開発を進めてきました。

実際に設計や開発を従事する方には、Oracle APEXの使い方を覚えてもらわないといけないので、短期間で習熟するための教育コンテンツの開発や研修プログラムの提供を行っています。これまでNRI社内だけでも100名ほどの社員に研修を提供してきましたが、受講者は、研修後すぐにローコード開発に取りかかれるようになっています。

Q2:NRIが考えるOracle APEXの魅力を教えてください。

一色:一番は、生産性が高い点です。従来のスクラッチ開発と比べて、Oracle APEXを活用したローコード開発の開発生産性が高く、過去、小規模案件を10件程度で提供した例では、詳細設計から単体テスト工程の期間を約65%削減し、開発期間の短縮およびコスト削減を実現しました。

また、柔軟性も魅力です。対応できる案件の幅が広く、過去の案件では、PC向けのウェブシステムはもちろんのこと、モバイルや、タブレット向けも全てOracle APEXで作っています。

大井:ローコード開発ツール自体は昔から存在していましたが、昔と比べて、汎用性が高くなってきていますね。UIの表現力の面も、向上しており、例えばInstagramのようなUIを持ったアプリケーションをOracle APEXで開発できるか実験を行ったところ、表現力もInstagramと変わらないレベルで簡単に開発することができました。

Oracle APEXは表現力があまり求められない基幹系システム開発だけでなく、表現力が求められる新規事業系システム開発にも適応でき、幅広い領域で活用できます。

大岡:私は現在入社2年目で、入社1年目の時にOracle APEXを体験しました。

一色:大岡さんの場合は、新人研修後の最初の案件がOracle APEXでしたね。

大岡:そうなのです!当時は新人研修直後で、業務経験も開発経験もない状態でしたが、Oracle APEX研修プログラム1.5~2週間程度で基本的な操作を習得し、約1日半でInstagramのようなアプリケーションを開発することができました。他の同期も、私と同じで2週間程度で基本的な操作をマスターしていました。

それだけOracle APEXが習得しやすかったです。おかげで私を含めた入社1年目の社員が、早期にプロジェクトの開発メンバーの中心となることができました。開発者の育成、早期立ち上げの面における魅力もあると思います。

Oracle APEXで作成したInstagramのようなアプリケーション

Q3:ローコード開発の活動を行っていく中で苦労したことや大変だったことはありますか?

一色:ローコード開発の活動を始めたころは、ローコード製品がたくさんあるものの、製品によっては国内で取り扱っている企業も少なく、情報もあまりありませんでした。そこで、国内外20個以上ローコード開発ツールに対して、NRIで取り扱うようなB2B、B2C 案件でも使えるかの評価を行いました。評価を始めた頃は、正直なところ実案件で使えるものなのか半信半疑だった部分もありました。Oracle APEXでInstagramのような表現力を要するアプリケーションを、開発経験のないメンバーでも短期間で作れた体験は、これまでのローコード開発に対する意識を変え、ローコード開発が今後のシステム開発を変えていくという確信に繋がった瞬間でした。

Q4:お客様への活動や対外発信を通して感じたことはありますか?

一色:Oracle APEXの関心度の高さを実感しています。
「Oracle CloudWorld 2022」の登壇オファーは、2021年頃に取り組んだ、経営ダッシュボードの構築がきっかけです。経営ダッシュボードは「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」を世界で初めて採用した専用パブリッククラウド環境であるNRIクラウド Fusion区画とOracle APEXを活用した世界初の業務事例でした。

「Oracle CloudWorld 2022」で実際に登壇する前までは、イベントで日本から登壇する企業が4社と少ない上、世界的に見ればNRIの知名度はそこまで高いわけではなく、セッション内容もOracle APEXだったので、どのくらい人が集まるか疑問でした。ですが、事前予約で満席(100席)になった上、イベント当日も海外のたくさんの方々がセッション会場に集まった様子を目にして、改めてOracle APEXの関心度の高さを感じました。

登壇終了後に、5名ほどからOracle APEXの使い方の質問や「Oracle APEXを使いたいので、情報交換したい。」との意見もいただき、海外でもOracle APEXを活用する動きが活発化していることを実感しました。

「Oracle CloudWorld 2022」登壇の様子

大井:ローコード開発ツールやOracle APEXに対する世間の盛り上がりを感じています。2019年ごろから「ローコード」が注目を浴びはじめ、2020年頃はITコンサルタント界隈で話題になっている感じでしたが、最近はシステムに携わるお客様も興味を持つ方が増え、ローコード開発やOracle APEXに関するお問い合わせも増えています。

Oracle APEXで実績を出している企業が海外を含めてまだまだ少ない中、私たちはOracle APEXに早期に取り組み、大規模B2B、B2Cシステムへの適用実績を作れていた点は、近年のお客様のローコード開発に対する関心やニーズへお応えする上で良かったと感じています。

Q5:将来チャレンジしたいことや、NRIで実現したい夢または目標はありますか?

大岡:ローコード開発案件に携わって1年が経ちましたが、ローコード開発ツールは実現できる部分は多い一方、苦手とする部分もいくつかあるということが分かってきました。例えば、画像や動画などの容量が大きいデータをそのままOracle APEXで処理すると性能が悪くなるという点が挙げられます。今後はこのような問題点を解消するノウハウを積み重ね、国内外のエンジニアの方から見ても遜色がないレベルに高めていき、情報発信できるようになりたいです。 

一色: 日本における労働人口減少の問題や、世界的なIT人材不足の問題が深刻化していますが、ローコード開発はこれらの問題を解消する解の1つとなる可能性を秘めていると考えています。また、技術革新やビジネスモデルの変化に対応していくため、近年、企業内で従業員に対するリスキングの取り組みが増えているかと思います。このリスキングにもローコード開発が有効ではないかと考えています。

ローコード開発の取り組みを通じて、お客様の課題を解決していくとともに、お客様のビジネスを加速させていければと考えています。

大井:私も同じくIT人材不足の問題の解決に向けて、NRIとして何かできないかと考えています。NRIだけではなく、同じ課題を持つパートナー企業とも連携し、システム開発における生産性を底上げする仕組みを一緒に作っていきたいです。

その1つのテーマとしてローコード開発があると思っており、これらの活動を広げながら、SI業界にも貢献をしていきたいです。

 

Q6:これからローコード開発やOracle APEXを始めてみたいという方へアドバイスや読者の方へメッセージをお願いします。

一色:「ローコード開発」という言葉を聞くと、「制約があって使うのが難しい」「現実のビジネスに活用できないものしか作れない」というイメージが先行するかもしれませんが、ローコード開発を取り巻く技術は進化しており、活用できるフェーズに来ています。実際にローコード開発ツールを理解し学習すると、汎用性や柔軟性の高さを体感できると思いますので、まずは体験してみてもらいたいです。また、ローコード開発においては、学習のハードルは低く、エンジニア・非エンジニア、若年層・シニア層など、幅広い層で利用できるものです。是非ローコード開発に挑戦していただければと思っています。

大岡:ローコード開発を企業内で始めていく場合は、新入社員にOracle APEXを触らせてみるのも良いと思います。プログラミングの経験がほとんどに無い方でも、十分実装ができるくらい機能が豊富です。例えば、1年目の社員がOracle APEX を使って3か月ほどで良いアプリケーションを作れたという実績が広まれば、ローコード開発やOracle APEXの認知度や信用が上がり、企業内での推進がしやすくなると思います。

大井:ローコード開発は、今までのシステム開発のやり方を変える大きなチャンスだと思います。お客様のビジネスの加速、拡大に貢献できると思いますので、そういった視点で一度チャレンジしていただきたいです。もし、お困りごとがあれば、ぜひNRIにお声がけください。

 

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・atlax/atlax for OCI ローコード開発(Oracle APEX)

・atlax/NRIのプロフェッショナル 大井 昭久

 

 

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