
はじめに
こんにちは、NRI の小野と申します。
本記事は、2021年に NRI の畑が公開したブログ「Azure のはじめ方(契約編)」を、2026年時点の最新情報に合わせて全面的に見直したものです。
ここ数年で、Microsoft の契約・ライセンスの仕組みや呼び方が大きく変わっています。これから Azure を使い始めたい方が、現在の正しい用語で検討・相談できるよう、契約形態・技術サポート・CSP・金融機関向け変更契約(FSA)の4点を、改めて解説します。
なお、本記事は正確を期すよう心がけておりますが、契約に関する情報ですので、最終的には Microsoft の公式ドキュメント及び各窓口での確認をお願いします。
Microsoft Azure の契約形態(2026年版)について
現在の Azure を理解するうえでの最大のポイントは、「契約(どの利用契約を結ぶか)」と「サブスクリプションのプラン(その契約のもとでどう払い出されるか)」を分けて考えることです。
以前は「MOSP で契約する」「CSP で契約する」といった言い方で、契約とプランが一体のものとして語られがちでした。現在は次のように整理されており、以前使われていた「MOSP」「オープン」「SCE」といった用語は、新規利用の文脈では使われなくなってきています。
- 契約(アグリーメント)
マイクロソフト顧客契約(MCA)を中心に、用途・規模に応じて複数の系統があります。 - サブスクリプションのプラン
MCAのもとで「Azure プラン」が払い出されます。従量課金で Azure サービスを利用できるようにする仕組みです。
この「契約 × プラン」の二層構造を前提に、以下を読み進めてください。
現在、Azure の利用契約は、Microsoft 公式(製品譲渡ハブ)の整理に沿うと、おおむね次の系統に分かれます。個人・小規模から大規模・パートナー経由までを、利用イメージとともに示します。

- MCA-online
クレジットカードを登録して、Webから個人・小規模で始める形態です。手早く Azure を触ってみたい方や、スモールスタートに向いています。初回には無料枠(クレジット)が付与されます。
※ 以前は「MOSP(Microsoft Online Subscription Program、従量課金制)」と呼ばれていた形態です。
※ 既存の MOSP 環境についても、Microsoft により順次「Azure プラン」化および MCA への移行プロセスが進められており、対象のユーザーへ個別に案内が行われています。
私が管理する環境でも移行したものがありますが、プロセス自体は特に大変なものではなく、気づいたら変わっているくらいのライトなものでした。 - CSP(パートナー管理の MCA)
CSP パートナーとの利用契約のもとで、Azure を含む Microsoft の各種クラウドサービスを利用する形態です。現在の CSP は 新コマースエクスペリエンス(NCE:New Commerce Experience)を前提としており、顧客は MCA に同意し、CSP プログラム付きの Azure プランを購入する、という形になります。パートナー独自の付加価値サービスや技術サポートと併せて利用できるのが特長です(詳細は後述の「CSP について」)。 - MCA-E(MCA forエンタープライズ)
Microsoft の担当者を介して Azure サービスを購入するエンタープライズ向けの MCA です。Microsoft は従来の EA から MCA-E への移行を進めており、今後の大規模契約の中心は MCA-E になっていく見込みです。従来の EA は3年などの有期の契約だったのですが、有効期限が無い点が大きな違いです。
なお、契約の名称は、公式ドキュメントの更新タイミングや翻訳によって一部表記が異なる場合があるため、以下の公式サポートブログを併せて参照いただくことを推奨します。
Azure の課金アカウントの種類と課金関連ドキュメントの見方に関して | Japan Azure 課金 サブスクリプション サポート ブログ
Azure の利用契約は、一概に「これが最適」と言えるものではありません。利用規模・期間・既存の Microsoft 契約の有無・パートナー活用の方針などによって適切な選択は変わります。Azure の利用を検討されている場合は、Microsoft の相談窓口や、一緒にビジネスをしているパートナーにご相談されることをおすすめします。
もちろん、NRI にお問い合わせいただければご支援します。
Microsoft Azureに関するソリューション・事例はこちら
Microsoft Azure の技術サポートについて
Azure を始める際には、Azure の利用契約と併せて、技術サポートについても検討しておく必要があります。Microsoft 社が提供するサポートプランについては、下記の表の通りです。利用用途に適したプランを選択してください。

Basic プランについては、課金やサブスクリプションに関する問い合わせは可能ですが、Azure サービスに対する仕様確認など技術的なサポートができない点にご注意ください。
また、Developer サポートの技術サポート(対象:重要度C)はMicrosoft Q&A での優先コミュニティサポートの対象となっており、従来のような Azure ポータル上での問い合わせとは変更になっている点にも注意が必要です(2025/2より)。
Azure 環境上で業務サービスが本番稼働したり、その業務サービスが極めて重要なコアシステムである場合は、より手厚いサポートが必要になります。
サポートプランは Standard, Professional Direct, Microsoft Unified Support とアップグレードすることができ、上位プランに進むにつれて、課題対応や緊急時対応のレベルが変わりますので、環境に適したサポートプランを選択してください。
サポートの具体的な対応範囲については、下記のサポートブログに詳しい情報の記載があります。
Azure における有償 Azure テクニカル サポートの対応範囲 | Japan Azure IaaS Core Support Blog
CSP について
ここで、CSP(Cloud Solution Provider:クラウド ソリューション プロバイダー)について改めて解説します。
CSP は、Microsoft の各種クラウドサービス(Azure, Microsoft 365 等)を、CSP パートナーとの利用契約のもとで利用できるプログラムです。CSP パートナーは、ユーザーの Azure 環境を提供・管理すると共に、技術サポートや独自の付加価値サービスを提供します。
NRIは、CSP 1-Tier を取得しているため、Azure リセラーを介さず、Microsoft の各種クラウドサービスを直接お客様に提供することが可能です。
現在の CSP 制度では、パートナー側は Microsoft と MPA(Microsoft Partner Agreement)を締結し、お客様側は次の条件に同意のうえ、CSP プログラム付きの Azure プランを利用する形になります。
- MCA(Microsoft Customer Agreement:マイクロソフト顧客契約)
- 製品条項(Product Terms)
※以前の「OST(Online Services Terms:オンラインサービス条件)」は廃止され、「Product Terms」に統合されています。 - SLA(Service Level Agreement:サービスレベルアグリーメント)
CSP では、お客様が Microsoft と直接契約書を取り交わすことはなく、これらの条件への同意は NRI との利用契約の中で、NRI の付加価値サービス利用と併せて行っていただく形になります。
Azure 環境は NRI より払い出され、ご希望に応じて NRI の付加価値サービスを付与した状態でお渡しすることも可能です。Azure 利用料のご請求と技術サポートの提供も NRI から行います。サービス内容や利用契約の詳細は、NRI 窓口までお問い合わせください。

金融機関向け変更契約(FSA)とは
MCA-E や CSP の契約において、ユーザーが金融機関である場合は、Microsoft から「金融機関向け変更契約(FSA:Financial Services Amendment)」を付帯することが可能です。
本契約は、監査要求など監督官庁が定める高いコンプライアンス要件に対する Microsoft の対応を明確化したもので、金融機関のお客様にも安心して Azure をご利用いただけるようにするものです。
FSA は、Microsoft の Cloud Financial Services Compliance Program の枠組みに位置づけられます。参加には、規制当局の監督下にあること、対象オンラインサービスの有効な有償サブスクリプションを維持していること、所定の上位サポート契約を維持していることなどの条件があり、別途費用が発生する場合があります(条件・費用は変更され得るため、適用可否は必ず公式・各窓口でご確認ください)。
FSA は、一見すると要件が複雑に見えますが、セキュリティやコンプライアンスの壁を乗り越えるための非常に強力な武器になります。「自社が適用条件を満たしているか分からない」「具体的にどんな準備が必要か知りたい」といったお悩みがあれば、実際に多くの金融機関様をご支援してきた NRI まで、まずはお気軽にご相談ください。一緒に最適な着地点を見つけましょう!
おわりに
今回は「Azure のはじめ方(契約編)」の5年ぶりのアップデートを行いました。これから Azure を始めたいという方にとっては「過去には正しかった今は古い情報」がかえって混乱を招いてしまうかもしれません。
そういった方に向け、今の時点での正しい情報がお届けできれば幸いです。
NRI では、CSP および Azure の付加価値サービスを各種提供しています。
「自社システムを Azure 上で稼働させたい」「Azure を活用して DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したい」といったご要望がございましたら、是非「atlax(アトラックス)」にお問い合わせください。Azure 活用の戦略策定から、技術課題、セキュリティ、統制管理など、様々な課題を解決しながら、お客様が目指す DX の実現をトータルでサポートします。
atlax公式SNS
各種SNSでも情報を発信しています。ぜひフォローをお願いいたします。
お問い合わせ
atlax では、ソリューション・サービス全般に関するご相談やお問い合わせを承っております。
関連リンク・トピックス
・2026/04/08 Microsoft AI Tour Tokyo 出展レポート
・2026/03/18 お客様環境にて安全に作業実施するためにできること~リタイアメント対応編~

採用情報
NRIの IT基盤サービスでは、キャリア採用を実施しています。様々な職種で募集しておりますので、ご興味を持たれた方は キャリア採用ページも ぜひご覧ください。
※ 記載された会社名 および ロゴ、製品名などは、該当する各社の登録商標または商標です。
※ アマゾン ウェブ サービス、Amazon Web Services、AWS および ロゴは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※ Microsoft、Azure は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ Google Cloud、Looker、BigQuery および Chromebook は、Google LLC の商標です。
※ Oracle、Java、MySQL および NetSuite は、Oracle Corporation、その子会社および関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。NetSuite は、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。




お問い合わせ