
こんにちは!atlax編集部 中の人です。
2025年7月23日、日本オラクル株式会社より「2025 OCI Top Partner Engineers Program」の発表が行われ、NRI社員の 朝日 英彦・大塚 紳一郎・大西 宏樹・小畑 知義・越川 麻里衣・白濱 亮・高橋 佑輔・山下 泰弘・米山 陽介 の 9名が選出されました。
2025年より新設された「2025 OCI Top Partner Engineers Program」は、今回が記念すべき第一回目の選出となります。本プログラムは、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI) に関する高度な専門知識と実績を持ち、ビジネスの成長や お客様の成功に貢献している パートナー企業のエンジニアを表彰するものです。
野村総合研究所、日本初実施の「2025 OCI Top Partner Engineers Program」に一企業として最多の9名が選出されました

左下から白濱 亮・高橋 佑輔・山下 泰弘・米山 陽介・大塚 紳一郎
今回は、朝日 英彦・越川 麻里衣・山下 泰弘へのインタビューの様子をお届けします。OCI事業を推進していく中で大変だったことや強みだと感じている点、そして今後の展望について聞いていきます。

Q1:2025 OCI Top Partner Engineers Programへの選出おめでとうございます。これまでのキャリア、現在のご担当業務やOCIとの出会いを教えてください。
朝日:私は主にオンプレミス環境のデータベースを活用したシステム設計、構築、運用に従事してきました。現在は保険業界向けにクラウドを活用したミッションクリティカルなシステムの設計および構築、クラウド移行支援を担当しています。2010年代後半からパブリッククラウドを利用し始め、2020年にOCIへの移行プロジェクトに参画したことがOCIとの出会いです。プライベートクラウドからOCIへの移行を完遂させ、IaCを活用した効率化も行いました。OCIはアクティブ・スタンバイクラスタの構築のしやすさなどもあり、プライベート・パブリックの良いところを併せ持つクラウドだと感じたのが印象的でした。
山下:私は入社以降、金融系システムのインフラに携わってきました。そこでは主に、NRIクラウドというプライベートクラウドを活用したシステムインフラ構築や維持管理を担当していました。
その後、本社機構の採用課で採用活動に数年従事したのち、2021年に現在の部署に異動となり、OCIに関わるようになりました。
現在は、OCIの技術調査やOCI移行プロジェクトの支援などを行っています。コンテナ基盤導入支援やQ&A対応も担当し、OCI関連の案件に注力しています。
越川:私も入社以来、金融系のシステムを担当してきました。
最初はアプリケーションエンジニアとして金融系システムの機能追加対応やシステム更改案件等を数年担当しました。その後金融系システムのインフラを担当する部署に異動し、プライベートクラウドやパブリッククラウドでのシステム更改案件や維持保守業務に従事してきました。
2022年頃にOCIへの移行を伴うシステム更改案件が立ち上がり、基盤リーダーとして案件に参画したことがOCIとの出会いになりました。今は、更改したシステムの維持保守を行いながら、本案件で得た知識を生かして、他の金融系システムのOCI移行案件の支援も行っています。
Q2:OCI事業を推進する中で、NRIの強みや特徴はどのような点にあると考えていますか?
朝日:NRIのOCI事業における強みは、STARなどの大規模かつミッションクリティカルなシステム構築の豊富な実績と、それを安定稼働させるための確かなノウハウを持っていることだと思っています。この実績は日本国内のみならず、世界的にも注目されているのではないかと感じています。さらに、市場におけるOCI情報の不足という課題に対して、長年の経験と蓄積された知見でしっかりと補完できている点も、NRIの大きな優位性だと考えています。
山下:NRIは長年にわたりOracle製品を活用してきた実績があり、OCIに関しても発売当初に日本でいち早くDedicated Regionを設置しました。OCI関連の情報がまだ少ない段階で早期に情報を獲得し、仕様についてOracle Corporationに継続的に改善要望を行いながら、日本で求められるミッションクリティカルな環境に対応可能な品質へと高めてきました。
例えば、主要なデータベースサービスであるExaDBやBaseDBでは、サービス提供後に重要となるメンテナンス機能やバックアップ機能、DR(ディザスタリカバリ)機能などについて、実際の運用現場で仕様とのギャップや安定稼働の課題が生じることが少なくありませんでした。
NRIは、これらの課題を単なる自社の要望として伝えるのではなく、日本の顧客が求める信頼性・可用性を達成するための具体的な業務要件や運用背景を踏まえてOracle Corporationに丁寧に説明し、密なコミュニケーションを重ねながら着実にサービス改善につなげてきました。
NRIのフィードバックは自社だけでなく、日本市場全体のミッションクリティカルな利用シーンの高度化に貢献しており、Oracle CorporationともWin-Winの関係を築けています。こうした地道な改善活動こそが、NRIのOCI活用における大きな強みです。
越川:私が考えるNRIの強みは、社内で多くのシステムにOCIを利用しているため、豊富な実績に基づくノウハウが蓄積されている点です。また、蓄積されたノウハウが共有され、お互いにフィードバックを行う良好な循環も生まれていることもNRIの大きな特徴だと考えています。
朝日:OCIの場合、社内のOCIコミュニティが「OCIナレッジ」というポータルサイトを運営し情報発信をしているので、社内のナレッジや相談の窓口が充実しています。実用的なナレッジを簡単に調べることができ、知識を持った人に気軽に相談できる点が安心感につながっています。
NRIのOCI技術力向上に向けた取り組みのご紹介~OCIコミュニティの担当者にインタビュー!~

Q3:社内に蓄積された知見をどう業務に活かしているか、教えてください。
朝日:お客様の要件や背景を理解し、最適なソリューションやシステムを提供するために社内に蓄積された豊富な知見を活用しています。
例えば、サービスの利用における事例や社内的なベストプラクティスの確認になります。社内だと直接ヒアリングして、なぜこのような構成にしたのか、なども詳しく確認することができるため、単純な事例の確認だけではなく「Why」についても深堀することができます。事業部のアーキテクトとして、お客様のシステム全体を見据えた最適化を推進していますが、これはOCIに限らず多様な社内の知見を活かしているからこそ成し得ることだと考えています。
山下:私はOCIの多様な実践例を収集して、それを基に標準的な設計を策定し共有する役割を担っています。標準設計では、なるべく設計/構築がシンプルとなるよう、OCIのサービス特性と複数の現場で共通する要件をバランスよく考慮し、定性的に判断しています。多数のプロジェクトから寄せられる情報を知見としてまとめ、標準設計に落とし込んでいく活動は、自身のOCIの理解を深めることにもつながっていると感じています。
越川:私は現在、既存システムのOCIへの移行プロジェクトを支援しており、その中で社内のノウハウを活用しています。後発のプロジェクトでは既存の知見を活かせるため、効率的に設計・構築を進められることが大きなメリットとなっています。
Q4:OCI事業を進めていく中でのチャレンジや大変だったことがあればお聞かせください。
越川:特に印象に残っているのは、システム更改プロジェクトの中で、いくつかのOCIのマネージドサービスをNRI社内で初めて大規模システムに導入したことです。
設計時には想定していなかった挙動などの問題がテスト中に発生し、ログ解析や詳細調査を繰り返しました。その際はOracle Corporationのサポートや開発チームとも何度も協議し、サービスの仕様に合わせてシステムの設計への取り込みを行ったり、Oracle Corporation側の不具合を修正していただいたりして、改善に努めました。こうしたやり取りや調整が大変でしたが、最終的に品質の高いシステムをリリースでき、金融系のミッションクリティカルな環境でチャレンジを乗り越えられたことは大きな達成感につながりました。

山下:新サービスの適用には多くの課題がありました。
例えば、東京にあるNRIのデータセンターに設置されたOCI Dedicated RegionやAlloyの運営は、私たちとは別のチームが担当しており、「いつまでに新しいサービスが導入可能か」についてはOracle Corporationと調整してもらっています。その際、私たちのチームは現場のプロジェクト状況を連携することで、こうした調整をスムーズに進めることに貢献しています。
ただし、弊社のデータセンターであってもクラウドサービスであるため、タイミングや仕様について要望を出すことはできますが、必ずしも私たちの希望が実現されるわけではありません。
特にIAM(Identity and Access Management)サービスから後継であるIdentity Domainsへの切り替えについては、当初Oracle Corporationとすり合わせたスケジュールから複数回延期となりました。
移行にあたっては、運営チームと役割分担しながら進めました。
具体的には、①調査・実機検証をそれぞれで実施し、②運営チームが考案した移行計画案に対して私たちが現場の状況をフィードバックすることで計画をブラッシュアップし、③その計画を運営チームがOracle Corporationと協議して調整を進めてもらいました。
中には後継サービスを一刻も早く利用したいというユーザーもいましたが、段階的な移行案を提案することで、プロジェクト推進に致命的な影響が及ばないよう配慮しました。
切り替えのスケジュールが何度も変更された際には、重要なタイミングではNRIやOracle Corporationの関係者に状況を伝え、プロジェクトの優先度を上げてもらうなどの対応を行い、最終的に新サービスの適用にこぎつけることができました。
このような交渉力と調整力こそが、私たちのチーム、そしてNRI全体の大きな強みだと考えています。
朝日:私が2020年にOCI事業に携わり始めた当初は、社内の知見がまだ少なく、ノウハウをナレッジ化する取り組みも手探りの状態でした。そのような状況で新しい技術や仕組みを社内に取り入れ、ノウハウを蓄積していくことがチャレンジだったと思います。
例えば、コンテナ技術(OKE:Oracle Kubernetes Engine)の導入についても、業務に活用できるかを見極めて実際に試し、効果が見込めれば標準化して社内に展開するといったプロセス自体がチャレンジであり、さらにそれを効果的に標準化・展開していく過程が重要だと考えています。

Q5:NRIのエンジニアとして実現したい夢や目標があればお聞かせください。
越川:現在、クラウドに関する技術は急速に進化しており、それに伴いOCIも頻繁にメンテナンスやアップデートが行われていますが、その一方で障害が発生することもあります。こうした環境下で、私たちは金融系のミッションクリティカルなサービスを支えており、OCIを使いこなして安定したシステムを継続的に提供し続けることが非常に重要だと考えています。これが私の目標であり、今後も取り組みを続けていきたいと思います。
また、日頃から後進の育成にも努めています。チームで仕事を進めることが多いため、チーム全体が円滑に機能することを大切にしています。そして、成長したメンバーが他のチームに移っても同様に活躍できるような良い循環を作っていきたいと考えています。
山下:ここ数年でクラウドとAIが急速に普及し、当たり前の存在になってきたことを個人的に嬉しく感じています。以前はインフラエンジニアとアプリケーションチームがそれぞれの担当領域に専念していたため、システム全体の把握が難しい状況でした。
しかし、自身の経験の積み重ねやAI・クラウドの浸透によって、アプリケーション、業務、事業といった各レイヤーが見えやすくなり、全体の理解が深まったと感じています。
これを踏まえ、アプリケーション、基盤、事業の壁を越えて、技術を中心にお客様の課題を解決していくことが目標です。さらに今後はクラウドの抽象化やAIによる知識支援が進み、より一層全体感を持って課題解決に取り組めると考えています。

朝日:お客様のビジネス成長への貢献は、技術面に留まらず、今後も継続していきたいと考えています。また、NRI全体のエンジニア力をさらに高めるために社内のナレッジやノウハウをしっかり蓄積し、それを誰もが活用できる環境を整備することが、私たち2025 OCI Top Partner Engineersの重要な役割だと感じています。基本的なところですが、単純な課題でもナレッジを共有することで迅速に解決できるケースが数多くあります。実際、OCIに関する質問に対して「そのナレッジはOCIナレッジに掲載しています」と案内するやり取りを重ねることで、皆が自主的に社内のOCIナレッジを探しにいき、同時に内容も更新される良いサイクルが生まれています。こうしたナレッジ共有の取り組みを、会社全体で広げていきたいと考えています。
Q6:atlaxブログの読者やNRIのお客様にメッセージがあれば、最後にお願いします。
越川:NRIにはOCIに関する豊富なノウハウが蓄積されています。
また、それだけでなくシステム全般にわたる多様なノウハウも多数存在しています。これらの知見を最大限に活用しながら、今後も安定したシステムの構築や運用に努めてまいります。この取り組みを通じてお客様に安心してシステムをご利用いただけるよう、引き続き努力していきたいと思います。
山下:NRIはOCIに関する豊富なナレッジを共有し、高品質で安定したサービス提供に注力しています。NRIには技術的好奇心が旺盛でやる気に満ちた社員が多く、一人ひとりが「お客様の役に立ちたい」という思いを持って誠実に取り組んでいます。こうした知的好奇心とビジネス力を融合させることで、価値あるサービスを提供し続け、お客様にご満足いただける関係を築いていきたいと考えています。
朝日:NRIにはパブリッククラウドに加え、AIも含めた幅広い技術領域に精通したエンジニアが多数在籍しています。さらに、複数のクラウドプラットフォームでプレミアパートナーとして長年の実績を積み重ねており、確かな信頼と経験があります。こうした背景のもと、現場で活躍するエンジニアが積極的に社外発信を行っていることも強みのひとつです。
今後もパブリッククラウドやAIなど最先端の知見を活かし、お客様に最適なソリューションを提供していきます。
atlax編集部の感想
今回のインタビューを通じて、改めてOCI事業におけるNRIの高い専門性とチーム力の強さを実感しました。特に印象的だったのは、「失敗や課題を恐れずに挑戦し、その知見を社内で共有・蓄積していく文化」が強力な推進力となっている点です。新技術の導入に伴う困難が多い中でも、チーム全体で支え合いながら改善を重ねる姿勢は、これからのクラウド事業やIT業界において求められる重要な要素だと感じました。
また、技術力のみならず、コミュニケーションや調整力、ナレッジ共有の仕組みづくりに注力することで、より良いサービスの実現につながっていることを強く感じました。
今後も彼らが掲げる「技術を通じてお客様の課題解決やビジネス成長に貢献する」という強い意志と目標に期待するとともに、atlax blogsでは引き続き、現場の第一線で活躍する社員の声を通じて、読者の皆さまにNRIの先進的な取り組みをご紹介していきます。
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