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日本初のOCI最上位資格取得者にインタビュー!常に学ぶ姿勢を持ち、新たな技術領域のファーストペンギンに

atlax編集部

こんにちは、atlax編集部 中の人です。

atlaxが提供するクラウドプラットフォームの一つであるOracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)。サービスの黎明期からOCIに関するプロジェクトに従事し、OCIのアーキテクチャに関する最上位の認定資格であるOracle Cloud Infrastructure 2019 Certified Architect Professionalを日本で初めて取得したのが、atlaxプロフェッショナルの小畑 知義です。


OCIに関する書籍の出版や社内勉強会の運営など、現在プロフェッショナルとして活躍している小畑 知義に、OCIとの出会いや資格取得によるキャリアへの影響、新たな技術領域に挑戦し続けるエンジニアとしてのモチベーションの源について突撃インタビューをしました!

 

Q1:小畑さんのこれまでの職歴、現在のご担当業務やOCIとの出会いを教えてください。

2009年に入社し、大手証券会社向けのアプリケーション開発を担当していましたが、2015年ごろ、当時支援していたプロジェクトの関係で基盤系の部署に移ったのち、OCIを利用する案件への人材募集があり、手を挙げたのがOCIとの出会いです。

前述のとおり、アプリケーション開発を行う部署から基盤系の部署に異動したのですが、当然そこには入社以来ずっと基盤の仕事をしている人たちがたくさんおり、それぞれ活躍していました。そんな中で自分は何を強みとすればよいのか考えたとき、新しい分野に挑戦したり、アプリケーションとのつながりを武器にしていこうと思いました。

当時はパブリッククラウド、特にOCIはまだあまり使われていないような時期だったので、この領域なら自分でも活躍できるのではないかと思ったのがきっかけです。

その後、NRIでもOCIを活用していく動きが強まり、現在は主に金融系システムをOCIに移行する案件の基盤リーダーとして活動しています。

 

Q2:認定資格を目指そうと思ったきっかけやOracle Cloud Infrastructure 2019 Certified Architect Professional を日本で初めて取得してよかったことをお聞かせください。

先ほど触れたように、私がOCIのプロジェクトを担当するようになった頃はまだOCIの提供が開始されたばかりでした。そのような中で初めてプロフェッショナル資格が出るという話を聞いて、当時一緒に仕事をしていた同僚たちと誰が一番初めに認定資格を取得できるかと盛り上がり、私も受けることにしました。

社内には、他のパブリッククラウドの領域でプロフェッショナルとして活躍している社員がたくさんいて、「私も資格を取ることで、専門家として一定のレベルにいることを客観的に証明できる」という気持ちもあり、Oracle Cloud Infrastructure 2019 Certified Architect Professionalに臨みました。
パブリッククラウドの資格を取るための日本語版の試験は英語版が出た後に翻訳されるので日本語版の試験を待つと出遅れてしまいますが、私の場合は英語が得意だったこともあり、英語版が出たタイミングで取得すれば周りに一歩リードできるかな、という思いもありました。

結果、無事取得できました。日本初という言葉の影響力は大きく、社内でも「うちに日本で初めてOracle Cloud Infrastructure 2019 Certified Architect Professionalの認定資格を取った人がいるらしい」というように認知してもらえ、OCIの案件が発生した時に声をかけてもらえるようになりました。

社内で声をかけてもらえる機会が増えると情報も入ってきますし、他部署の方や他のパブリッククラウドに携わっている担当者との横のつながりもできました。他のパブリッククラウドの担当者で対外発表に積極的なメンバーがいて、4つのクラウドの担当者同士で、本を出版するという活動に巻き込んでもらうこともありました。『クラウド探訪記』というタイトルで、AWS(Amazon Web Service)・Google Cloud・Microsoft Azure・OCIの4つのパブリッククラウドを比較してそれぞれの特徴や違いを紹介しました。自費出版ではありましたが、本を出すというそれまででは考えられなかった経験をさせてもらい、各領域で活躍している皆さんからも大いに刺激を受けました。

techbookfest.org
資格だけ取っても実力が伴うとは限らないと思う人もいるかもしれませんが、資格取得を通じて得られるのは学びだけではなく、さまざまな出会いのきっかけや機会を掴むための道具として、とても役に立ったと思います。

 

Q3:エンジニアとして大切にしていることやよりよいサービスを提供していくために努力していることがあれば教えてください。

ふたつあります。ひとつめは、仕組みを自分なりに理解するということです。
IT業界は変化が激しく新しい技術や言葉もたくさん出てくるので、ある日突然自分の知らない用語が当たり前のように使われていたりします。油断すると置いてけぼりになってしまって、よくわかっていないまま雰囲気で言葉を使ってしまうことになりかねません。そんな時、私は2段階で自分なりに理解しようと心がけています。
1段階目は「自分の言葉で表現してみる」ことです。「~という事であっていますか?」と聞いてみたり、「~と理解しています」と会話の中で使う事で、使っている人同士の間でも認識齟齬をなくせるのでよいと感じています。特に基盤領域はテクニカルですが一般的な情報が多いので、Webで検索してみるだけでも随分違います。先日、ある打ち合わせの中で聞き慣れない言葉が出てくるとすぐに調べている人がいたので、偉いなと思い私も慌てて調べました(笑)わからないことに出会ったら、少しでも理解しようと調べたり質問したりして、わからないままにせず理解を深めていくことが大切だと思います。
2段階目は「概略図を描いてみる」ことです。概念的には分かったつもりになっていても、登場人物や動作原理、情報の流れを図示してみると分かっていない部分は詳細を描けないことに気づきます。そして図を描いてみると、実は新しくキャッチーな名前がついただけで、今までの技術の延長や派生形であることも多々あります。仕組みを理解しておくことで、技術のキャッチアップがしやすくなります。また、システムのトラブルに遭ったとき闇雲に改善を試みてもなかなか前に進みませんが、仕組みをきちんと理解していれば「ここが悪いのかな?」と予測して問題の切り分けができます。

理解するのには最初は時間がかかりますが、その先の応用が速くなるので、まずは理解することを心がけています。

ふたつめは、自分の担当領域にこだわらず、隣の領域まで理解するということです。
システムや組織が大規模になると分業が進み、専門的な領域はそれぞれのチームで分担していくようになります。そうすると、どのチームが担当するのか線引きが難しい狭間の領域で、「これは私の担当ではない」とどの担当からもこぼれてしまうタスクが出てきます。私はアプリケーション開発と基盤領域のどちらも経験してきたという強みがあるので、そういった狭間のタスクも率先して拾いに行くように心がけています。
自分の領域にこだわらずに隣の領域まで理解を深めると、何か領域を跨いでうまくいかないことが出てきたときに、お互いの立場や状況を踏まえた上での落としどころを見つけやすいので、結果的には自分の領域の仕事もスムーズに進められるようになると考えています。

また、社内勉強会の運営などを行い、専門家として情報のインプットを常に心がけています。基盤の部署の中には技術自体が大好きという人もいるのですが、私は自分自身の興味で技術に没頭していくというより、「周りに喜ばれるかな」とか「組織で役に立ちそうだな」といったモチベーションで勉強しています。勉強会のような活動に参加することで人とのつながりが増えるといったメリットももちろんありますが、それに加えて発表の機会を得ることで「人に説明するからには自分自身が理解していなければいけない」と考えるのも学習の動機付けになります。目の前に仕事があると自己研鑽やスキルアップは後回しにしてしまいがちですが、「この勉強会で発表します!」などと宣言することによって、そのためのインプットの時間をあえて作るようにしています。

 

Q4:今までの経験を活用することで解決したい課題やNRIとして実現したい夢はありますか?

これまでの私の仕事は、従来プライベートクラウドやオンプレミスで動いていたシステムをパブリッククラウドに引っ越すという案件が多かったです。システムの中身を画期的に刷新するとなると大変ですが、基盤のレイヤーだけでもパブリッククラウドにのせることで、DXの第一歩を踏み出すという段階です。
更にその先に進んで、アプリケーションレイヤーを含めてクラウドネイティブなシステムにするという試みをしているメンバーはNRIにも多数います。コンテナ技術の活用にはじまり、生成系AIなど、これからの技術革新の鍵となりうる新技術も実用化のフェーズに進んできていますので、こういった新技術もキャッチアップし、OCIを活用してNRIならびにお客様のシステムのさらなるモダナイズを進めていきたいと考えています。

 

Q5:atlax ブログの読者やNRIのお客様にメッセージがあれば、最後にお願いします。

私自身インフラエンジニアとして何かに特に秀でているというわけではありませんでした。しかしながら、新しい領域というのは、外から見ると難しそうでもまだ誰もやっていないというだけで、手を挙げさえすれば第一人者になるチャンスにつながります。踏み出すのは勇気のいることですが、今後も様々な新技術が出てきますので、機会があればそういった領域に手を挙げてみるとご自身のキャリアにとってよい転機になるかもしれません。私自身も新しい技術領域に積極的にチャレンジを続けていきたいと思います。


そして、NRIはOCIを自社データセンターに導入して、パブリッククラウドでありながらも高いレベルでのガバナンスやセキュリティを確保できる環境を用意しています。また、「Oracle Alloy」の活用によりお客様へのIaaS、PaaSのフルサービスの提供が可能となり、より一層幅広いニーズに応えていけるという自負があります。ぜひNRIおよびOCIと一緒にシステムをモダナイズしていきましょう。

 

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